私の被爆体験談 「きのこ雲との闘い」

著者/出口 輝夫さん

被爆者としての体験談をできるだけ飾らず真実のままに

book_169核兵器の廃絶は、被爆者だけの問題ではなく、全人類の生存のための課題
皆さんも共に考えて頂きたい

出口さんは、13年前から語り部として活躍されていますが、今回、この本を出版されようと思われた一番の動機は何ですか?

最近、私の周辺からも語り部として活躍された方々が、残念なことに、次々と亡くなっています。
私も例外ではないと悟ると同時に、たくさんの方々に直接間接にお世話になっていますので、自分の人生をまとめてご紹介することで、お礼を言っておきたいという気持ちになったのがきっかけです。

本を開いてみると大きな活字で、全ての漢字にふりがながふってありますね。

はい、漢字には文字自体が持つ感情とか景観があります。
漢字離れが進んでいると言われる世情への反発かもしれませんね。
また、年をとるとわかりますが、文字が小さいと読む気が起こらないので、子どもから高齢者、さらには日本語を勉強中の外国人にも読んで欲しいという願いもあります。

次の企画がもう出来ているそうですね。

そうなんですよ。昭和20年8月の長崎市地図を作成しました。
戦時中は、地図は機密情報でしたから、何も残されていないので、8月7日に米軍が撮影した写真を基に地図を制作してみました。
写真と照合できますし、標高によって色分けしているので、複雑な地形が一目瞭然です。
これからの語り部を志す人たちに、ぜひ活用して欲しいですね。

インタビューさせていただいた時は、地図は作成中でしたが、現在は、完成しています。
お問い合せは、ゆるりまで。