著者/前野士朗さん
人生苦もありゃ楽もあるさ。
感謝!感謝の78年
自分史を作るきっかけは?
子どもや孫に、私が若い頃の苦労話やあれこれを話しだすと、きまって「ええ?!またその話!?」と疎んじられるんですよ(笑)。
それなら本にして、いつでも子どもに親父の生き様を知ってもらい、これからの人生を、より豊かに生きるための参考書とまではいかないにしても、何かの役に立てればなあと思って綴り始めたんです。
タイトルに込められた想いは?
少年時代の軍隊生活から始まり、本当に激動の78年でした。当時は生きていくことに必死でしたが、今こうして振り返ると、ああ、苦もあれば楽もあった、そのすべてを経験できたことは文字通り“欲張りな人生”だったんだなあと思うんです。
周囲からの反響は?
「こんなに4冊になった自分史など、見たことがない!」と言われ、小さな頃からのエピソードを良く覚えてますねと言われました。
これを手に取られる子どもさんやお孫さんへのメッセージ。
企業一筋で生きてきた50年、子育ては常に妻にまかせきりでした。子どもたちが幼い頃に抱きしめることをしてあげられなかったのがずっと心残りで、その反省もあっての出版です。だからこの本が出来た今、改めて私の人生を子どもに知ってもらって、思いっきり抱きしめてあげたいですね。
ところで前野さんは水戸黄門が大好きだとか?
ええ、単純なストーリーではありますが、昔から大好きな番組です。だって明快でしょう。悪い者がしっかり懲らしめられる、道理が通る。最近こんな番組少ないような気がしませんか?それに、苦もあれば楽もある、まさに私の人生そのものだなあと…(笑)。
最後に読者へメッセージを。
今の世の中、水戸黄門のように明快にはいかない時代。子どもたちへの将来への危惧もあります。子どもや孫たち、この本を手にされる皆さんに、私が生きてきた時代を知ってもらって、苦も楽も“人生の糧”として、欲張りに生きてもらえたら嬉しいですね。
取材中は終始笑いが絶えず、楽しいひとときを過ごさせていただきました。ゆるりでは数多くの自分史を手がけさせていただいていますが、前野さんのような全4編に亘るほどの欲張りな超大作は初めて。5刊、6刊と、これからも楽しみにしています。