著者/濱崎 均さん
命を大切にしてありのままを見つめて書く
17歳で爆死した兄を捜し回った体験にはじまり、被爆地長崎の変遷が綴られた一冊
この本は歌集ですが、短歌を始められたのはいつ頃ですか?
短歌を始めたのは、中学校を退職した1995年からで爆死した兄や、反戦・平和などへの想いを、折々に頭に浮かんだことをノートに書き記しました。
これまでにどのくらいの歌を詠まれたのですか?
そうですね、13年の間に、徒然なるままに詠んだ歌は、ノート3冊分になりました。その中から、今回530首を選んで本にしました。
私の歌には反核・平和に関するものが多いですね。
今回出版されたきっかけは?
今回、歌集を出してみようと思ったのは、1955年(昭30)、長崎大学学芸学部(現教育学部)を卒業し、同学部附属中学校に就職した年の暮れに結婚し、2005年(平成17)でちょうど半世紀たちましたので、これまで二人で生きてきた証として何か残したいと思ったからです。
全体をどのようにまとめられたのですか?
大きく8章のテーマに分けました。序章は、終戦10年後に結婚しました妻とともに歩んだ半世紀。半分ちかい214首は「反戦・平和への思い」で構成しています。本の題名は、妻の「徒然に書いたのでしょう」の一言で徒然にといたしました。
発行日は何かの記念日ですか?
はい、私は早くに両親・兄姉を亡くし、身内は甥と姪だけです。妻の方は、父が戦後2年ぐらいで他界しておりますが、母・兄弟がいます。従って、妻の母は私にとって実の母のような存在であり、深く敬愛の念を持ちましたが、母と呼んで50年、2005年4月3日になくなりました。この歌集は母の命日に捧げるものともなりました。
濱崎さんは、現在も語り部として多くの修学旅行生たちに、被爆体験の記録・継承にご活躍されていらっしゃいます。