対馬国志

著者/永留久恵さん

文学・伝説ではない史実に基づいた対馬の歴史手引き書

10年間の月日をかけてまとめ上げた三巻通算1042ページからなる超大作!

永留さんは、長年、小中学校の教師をされていましたが、対馬の歴史について研究しようと思われたのは、何がきっかけですか?

子どもの頃から歴史は大好きでした。学校でも一番よく勉強してましたね。
研究をしようと思ったのは、戦後昭和23年に、東亜考古学会の先生方が一ヶ月にわたる対馬全島の調査研究に団体でこられ、現地の案内役をまかされました。
photo_0067_02その時に、研究の仕方などいろいろ教えていただいたのが勉強するきっかけになりました。

やはり対馬の歴史を知ることは、韓国との関わりを知る重要な手がかりになりますよね?

そうですね、自分の国の文化を向上させるためには、よその国とも付き合っていかなければなりません。交流のない世界に文化の発展はありませんから。その際、やはり一番近くに存在する国、つまり朝鮮との交流が重要だと思います。日本と朝鮮はずっと交流を続けてきました。その架け橋をしたのが対馬なのです。
私の書いた本は、文学や伝説ではなく、史実に基づくものなので、本当の歴史を勉強したいと思っている方の手引き書になると思いますよ。

本はどのくらいの期間で完成されましたか?

78歳の時に大腸癌になって、もう先は長くないなと思い書き始めたので、10年になります。お陰様で病気は完治しました。でも、10年間ずっとこれだけに没頭した訳ではなく、合併前の町誌や雑誌への寄稿、論文の執筆など他の仕事をしながらですけどね。

今年90歳になる永留さんは、新たに次の作品に取り組み中です。これからも健康に留意されて がんばっていただきたいです。