「あかい花いちりんあなたにあげる」 Ill give you this one red flower

著者/大久保美喜子さん

「からゆきさん」の存在を伝えたいあかい花はささやかな幸せの象徴であってほしい

過酷な運命を背負う少女達の存在を言葉と切り絵で多くの人に知ってもらいたい

今回、この本を出版されようと思ったきっかけは?

『集大成』のようなものを作ってみたいと思っていました。
女性史、特に「からゆき」と呼ばれた人々を勉強する中で、「からゆきさん」の構図(騙されたり、誘拐されたりして売られ、過酷な運命を背負わされた少女達)そのままにまだ彼女らが現実に存在しているのだということも知りました。
photo_0055_02それを、難しい言葉で研究者のように書くことも出来るでしょうが、オブラートに包み、わずかな言葉で、読み手の豊かな想像力に育んでもらえるような、絵本が描けたらいいなと思ったのがきっかけです。

切り絵には、着物をきた女の子が出てきますが、この女の子は?

この女の子は初めて訪れたインドで、インドのお寺に泊めてもらった時に私に会いにきてくれた幽霊です。
女性史を勉強しながら、「からゆきさん」の足跡を辿って、日本人墓地を探すことを思いつき、その旅の途中インドで出会った少女です。

ゆるりに出版依頼をされたのは?

ラジオの放送を聴いて「あ、いいかも!」と。直感です。自費出版は商業ベースにのらなくても、伝えたい思いがあり、伝えなければならない思いがあります。自費出版の良い所は書き手が投げたボールを、どんな変化球でも上手に受け取ってもらえることだと思います。

 最後に読んでくださって、生きる勇気を繋げた人が、次に誰かに与えられる力や、希望になってほしいと言われてました。また、活動の一つとして「NGOインドに幼稚園を作る会」を立ち上げていらっしゃいます。