編集・発行/『時代を生きて』刊行会(代表 鎌田信子さん)
平和を願って!反核運動に命を捧げる
長崎にとどまらず、日本で世界で反核運動をリードされていた鎌田さんの一番の理解者である奥様によって出版された記録集
今回の出版をされたきっかけは?
夫が他界して足かけ5年が過ぎました。膵臓ガンの告知より1年7ヶ月の2002年に逝きました。72歳でした。
彼の不在は辛く心もとないものでした。5年目にようやく鎌田定夫という人間が生きた72年を何かの形にしたいという気持ちが生まれ、出版にいたりました。
本の内容は?
彼が生涯に書いてきたものは非常に多く、全てを把握することはできませんでしたが、わかる範囲から選び、ほぼ年代順に並べ、記録運動、長崎と原爆、平和教育など、いくつかのテーマ別にまとめました。
この時代を生き長崎で終えた一人の人間の足取りを一冊の文集のかたちで知ってもらえるのではないかと思います。
ご主人はどんな方でしたか?
もの静かで、粘り強い人でした。知人によると、最初の印象は、小柄でいつも微笑みを浮かべて、優しくおとなしそうな感じでしたが、付き合っていくうちに、きちんと筋道を立てて物事を考えていく、合理的な思考力の持ち主であるだけでなく、燃えたぎる情熱を胸に秘めて、必要に応じて行動の方向性を提起し、しかも決して押しつけがましいことなく、積極的に皆をリードしてゆく指導性を身につけていたそうです。
この本はどういう方に読んでもらいたいですか?
そうですね。さまざまに鎌田を支え同伴してくださった方々、また、長崎と平和について関心をお持ちの方々にお読みいただければ嬉しく思います。
長崎の証言の会代表委員・日本戦没学生記念会理事・長崎平和研究所長など数々の活動をされてきた鎌田さんの貴重な一冊となっています。この本は、県内の主要書店で販売(1,800円税込)されています。